「太平洋側の方の海氷が大きく融けている理由は、太平洋側の方が水位が高いためと言われています。」

「太平洋側の水位が高いということは、太平洋側の表層水が北極海に流れ込むので、海氷が溶けるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「太平洋側の方が水位が高いというのは、間違いないのですか」と町会長。

「人工衛星に搭載された衛星海面高度計で海面高度の測定ができます。」

「人工衛星で海面高度の測定ができるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人工衛星に搭載されたマイクロ波レーダーを使って、海面高度を測定しています。」

「人工衛星から直下の海面にマイクロ波を照射し、跳ね返って来たマイクロ波を、搭載しているセンサーでとらえれば、人工衛星と海面との距離が計算できるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。人工衛星の軌道が分かっているので、海面高度が計算できます。」

「なるほど。科学の進歩は、素晴らしいですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。マイクロ波を使うのは、マイクロ波が雲を透過するためです。」

「跳ね返ってくるマイクロ波をセンサーでとらえるので、夜でも観測ができるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、間違いなく、太平洋側の方が水位が高いのですね」と町会長。

「小脳の機能がわずかしか上がっていないので、町会長が納得するような説明ができないのですが、太平洋側の水位を高くするようなエネルギーを持っているものがあるとすれば、熱塩循環しか考えられません。」

「熱塩循環は、そんなに凄いエネルギーを持っているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『熱塩循環』には、『後氷期の初期、グリーンランドや北アメリカ氷床の融解によって低密度の淡水が大量に流入し、北大西洋での深層水の形成や沈み込みを極度に阻害したことがわかっており、これがヨーロッパで知られる気候「ヤンガードリアス」イベントを引き起こしたと考えられている』と書かれています。」

「『後氷期』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアには、『後氷期とは、約1万年前から現代までの時代をさす。一般にヴュルム氷期と言われる氷期の後であり、しばしば完新世と同義で使われる。人類が勢力を広げ、全地球的に居住地を広げると共に、文明の発達により地球環境を大きく変化させた時期である。この名称からは、氷河時代が終わったような印象を受けるが、多くの研究者の間の意見は、数万年以内に次の氷期が到来し、従って後氷期は実際には間氷期である、という点で一致している。 』と書いてあります。」

「なるほど」と町会長。

2020/8/3

<筆者の一言>
温暖化が進んで氷河期が来るのは、北極の氷が溶けるからだ。北極海の海水は、氷から排出される塩分で塩分の濃度が高くなり、冷却されて、重くなり海底に沈み込む。『熱塩循環』は、この重くなった海水の沈み込みが原動力となっている。

北極の温度が高くなり氷が少なくなれば、沈降する海水の温度が高くなり、塩分濃度も薄くなって沈降速度が遅くなる。そして、沈降する海水の量も少なくなってしまう。その結果、熱塩循環の流速が遅くなり、最後には止まってしまう。

熱塩循環が止まると何が起こるのだろうか。まず、北大西洋の海水温が低下する。北大西洋の海水温が低下すれば、北極圏やヨーロッパが寒くなる。同時に、温暖化の原因になっている大気中の二酸化炭素が、温度が低下した北大西洋の海水に大量に吸収されるため、地球レベルで温暖化が改善して気温の低下が引き起こされる。

地球レベルで気温の低下が引き起こされると、太平洋の海水温も低下し、大量に二酸化炭素が吸収され、気温がさらに低下するため、急激に氷期に突入していくのだ。

次の第二百八十一話に出てくる『ヤンガードリアス』も同じ原理で起こったと推定している。南半球の寒冷化が先に起こったのは、南極は大陸なので、海に比べると比熱が小さいためだ。温室効果が地球レベルで低下するようになると、南極大陸の気温の低下が北極海より先行することになる。

また、北極海に降った雪は、氷期の初期には溶けてしまう。積雪は、太陽光を反射するだけでなく、地熱を断熱する効果があるので、先に雪が積もった南極で寒冷化が急激に進行して、南半球で寒冷化が先に起こることになるのだ。

昨日は気温が39℃を記録した。北極の氷も溶けているに違いない。幸いなことに、赤外線温度計を使った防寒対策のおかげで、夏場の冷房がよく効く。外気温は39℃だが、27℃設定で室温は26℃だ。今年は、去年ほど電気代がかからない。夏場の対策は冬場にやるに限る。

※『世に知られざる秘密の話』を参考にして論文を書く場合、筆者に連絡したり、参考文献として表記したりする必要はありません。 渡辺昇一

<ムクドリ68>
7月2日の夕方、はしごをかけて瓦屋根の修復をしていると、イエスズメが2羽、3,4メートルのところに降り立った。庭にイエスズメが降り立つのは久しぶりだ。はしごを降りかけても、イエスズメは逃げなかったので、ゆっくり観察することができた。

イエスズメは、小雨が降る日と夕方に群れをなして、我が家の上空を飛ぶことがある。ピヨピヨ鳴きながら元気にあふれた飛び方をするので、群れて飛ぶのが楽しいのだろう。しかし、信玄雀は、我が家の上空を群れ飛ぶのは、小雨が降る日と夕方しか許可していないようだ。小雨が降る日は翼が重くなるし、夕方は視力が落ちるのでカラスや猛禽類が飛ばないのだろう。それで、イエスズメは夕方だと、間近に人がいても逃げなかったのかも知れないと思った。

翌朝、庭を見ても、イエスズメは1匹もいなかったので、うっかりして庭に降りたに違いない。どうも、隣の植木に降り立ったイエスズメが勘違いして我家の庭に降り立ったのが真相のようだ。

もう1点気がついたのは、地上を歩いている人間は人間と認識できるが、はしごに登っている人間は人間として認識できないのではないかということだ。僕ははしごに足をかけた状態で、モルタルを塗っていたので、上半身しか動いていない。木の枝が風で揺れているのに近い状態だ。それで動物とは認識できなかったのかも知れない。<続く>

2023/7/17